ロジャーズの主な著書とクライエント中心療法関係図書


1 Counseling and Psychotherapy ( New Concepts in Practice)
Houghton Mifflin Company, 1942.

 これは、ロジャーズの第1の主著で、この書物で、いわゆる「非指示的カウンセリング」が誕生したのです。 日本に導入されたときも、この「非指示的」(non-directive )ということが強調され、 今もロジャーズの立場は、「指示しないこと」だと考えている人が多いのです。
日本の全集(ロジャーズ全集・岩崎学術出版社)では、第2巻「カウンセリング」と第9巻「カウンセリングの技術」に翻訳・収録されています。


2 Client-centered Therapy (Its Current Practice, Implications, and Therapy )
Houghton Mifflin Company, 1951

 「非指示的」という言葉が問題になって、いろいろ議論が湧き、批判が起こりまし た。ロジャーズが、指示・非指示といった次元ではなく、もっと本筋を考えているの だ、ということを表題自体で示したのがこの書物です。この大著でロジャーズの立場 は確立された、といってよいのではないかと思います。「クライエント中心療法」と いう呼び名は、ロジャーズの基本的立場をもっとも明確に表すものとして、今も現役 です。 全集では、第3、5,7,8,16巻に翻訳・収録されています。


3 Psychotherapy and Personality Change
(Co-ordinated Research Studies in the Client-centerd Approach )
The University of Chicago Press, 1954 / Editerd by Carl R. Rogers and
Rosalind F.Dymond.

ロジャーズの主著で、心理療法に関する客観的研究の金字塔といわれているものです。 ロジャーズを中心としたシカゴ大学のカウンセリング・センターのメンバーが、その チームワークの中で作り上げた大著です。全集では、第10,13巻に翻訳・収録さ れています。


4 On Becoming a Person (A Therapists View of Psychotherapy)
Houghton Mifflin Company, Boston, 1961.

これは、ロジャーズの論文集というべき書物で、21にのぼる論文が分類され収録さ れています。 ロジャーズ自身が重要だと思った論文はほとんど収録されています。 全集では、第5,6,12巻に翻訳・収録されています。 (1〜4までの紹介、大段智亮著「人間関係の条件」医学書院、1977. )


5 ロジャーズ・クライエント中心療法

佐治守夫・飯長喜一郎編、有斐閣新書、1983


6 カウンセリングの技術―クライエント中心療法による―

友田不二男著、(第2版、1996) 誠信書房


7 こころの科学 74号―ロジャーズ・クライエント中心療法の現在―

村瀬 孝雄編、 日本評論社、1997


8 現代のエスプリNo.374(クライエント中心療法)

田畑 治編、至文堂、1998


9 ロジャーズ再考

氏原 寛、村山正治共編、培風館、2000


10 ロジャーズ学派の現在(現代のエスプリ別冊)

村山正治編、至文堂、2003